変動型電源の普及の鍵を握る

電力系統との接続

変動型電源

電力分野での自然エネルギーの普及では、「固定価格制度」のほかに、電力系統との連携・接続が重要な鍵をにぎっている。
なぜなら、自然エネルギーの中で最もコストが下がり、普及の先頭に立っている風力発電、そして将来的に最も大きな可能性が期待されている太陽光発電の両方が、自然界条件によって時々刻々と発電量が変わる「変動型電源」であるからだ。

 

発電量を調節

電力は、基本的に発電量(供給)と消費量(需要)を常に一致させておく必要がある。そのため従来は、消費量の変動に合わせて発電量を調節し、時には揚水発電(夜間などの電力需要の少ない時間帯に原子力発電所などから余剰電力の供給を受け、下部貯水池から上部貯水池へ水を汲み上げておき、電力需要が大きくなる時間帯に上池から下池へ水を導き落とすことで発電する水力発電方式)なども使って需給を調整してきました。
そこに発電量が大きく変動する自然エネルギーが入ってくると、調整はさらに困難になるという心配があります。

 

とはいえ、日本の現状では風力発電などの割合が低いため、ほとんど問題は生じない。むしろ電力系統に接続しなければ「市場に参入」できず、普及できないことから、欧州を中心に、送電系統に自然エネルギーを他の電源よりも優先して接続する「優先接続」の原則が早くから確立されてきた。

 

さらに電力市場改革が先行している欧州では、送電会社が発電会社や電力供給会社から切り離されており、普及する自然エネルギーによる電力変動を緩和し、調整するための「スーパーグリッド構想」が進んでいる。

 

これは、出力調整に向く北欧の大型水力と北海の洋上風力郡と欧州を結ぶもので、送電会社は「将来世代のために自然エネルギー用の送電線を作る」と胸を張る。

 

地域分散型自然エネルギーが地域に便益をもたらす形で普及するにつれて、送電線は電力会社の私物から、高速道路のような公共財に変わりつつある。

 

日本はどうだろうか。電力会社は、風力発電による電力系統への影響を過剰に心配し、風力発電に対して厳しい規制を課している。
欧州や北米・中国などの風力先進国と対比すると、「安定供給」と送電線が、独占を維持するための方便におちているのではなかろうか。

 

◆環境エネルギー政策研究所所長、飯田哲也 2010/8-14

変動型電源の普及の鍵を握る関連ページ

電車照明LEDで電力4割削減
構造で省エネ