再生エネルギー:熱利用

熱利用

自然エネルギーの普及で、注目を集めている太陽光発電や風力発電などの電力分野のほかに、「熱利用」の分野
が重要となる。太陽熱温水、木くずなどのバイオマス使用、地中熱や温泉熱利用などが代表的だ。

 

固定価格制などの製作で飛躍的な普及を遂げるつつある自然エネルギー電力に比べると、まだ決め手となる政策に
乏しいが、これからの大きな可能性があるため「眠れる巨人」と呼ばれている。

 

熱利用とは具体的には暖房や給湯をさす。これたは40〜60度程度の比較的適温で家庭などで最も需要が高い。
本来、暖房や給湯は、廃熱や太陽熱温水などの「質の低いエネルギー」でまかなうことができる。しかし現実には、
ほとんどが電気や化石燃料(ガスや石油)などの「質の高いエネルギー」でまかなっている。ここにエコロジー的
なミスマッチがあった。

 

バイオマスでは北欧が代表的な成功例だ。スウェーデンやフィンランドでは木くずを使った地域熱供給、デンマーク
では畜産からのバイオガスを使った地域熱供給で、化石燃料を大幅に代替してきた。さらに近年では、取り扱いや運搬
に便利な木質ペレットが急速に普及している。

 

太陽熱利用では、ドイツやオーストラリアでの取り組みが先行してきたが、スペインのバルセロナで1998年に
導入された「導入義務付け(ソーラーオブリゲーション)」が2006年には国の法律が加速した。これを追って、
ドイツが08年には「自然エネルギー熱利用義務付け法」を導入して、後を追っている。

 

日本で暖房、給湯といえば、いまだに電気、ガス、灯油以外事実上ない状況だ。かつて1980年代に石油ショック
を受けて、太陽熱温水器が一気に普及した時期があった。しかし、その後、原油価格の低落とともに政策的な支援の
ない市場は低迷した。

 

押し売り事業者による消費者トラブルも発生し、今日に至るまで低迷している。熱政策の再構築から始めるしかない。