原子力発電の原理

原子力発電の燃料

原子力発電の燃料となる『ウラン235』は、天然ウラン鉱石中わずか0.7%しか含まれていません。他の99.3%は、ウラン238と言われているものです。

 

ウランを分ける

ウラン235と、ウラン238の違いは、中性子の数が違います。そして、ウラン238は分裂しにくく、燃料となるウラン235は分裂しやすいという特徴があります。

 

これを、遠心分離機にかけて、ウラン238とウラン235を分けます。238の方が、中性子が多い分重いとされています。

 

ウラン235を濃縮し、ペレットにする

遠心分離機で分けた、ウラン235を3〜4%に濃縮します。ウランの酸化物を粉末状にした上で成型し、セラミックのようにカチコチに焼き固めたものをペレットといいます。このような処理で、ペレットの沸点は2800度まで耐えることができます。

 

ペレットを燃料棒に詰める

このペレットは、直径、高さとも約1センチメートル程の円柱形で、これを被覆管と呼ばれる長さ4メートル程のジルコニウム合金のさやに密封したものが燃料棒です。1本の燃料棒に、370個のペレットが入っています。この燃料棒を60〜80本まとめたものを、燃料集合体といいます。この燃料棒に使われているジルコニウム合金は、1200度まで耐えられるとされています。

 

※福島第一原発の2号機には、548本の燃料棒が入っていたそうです。

 

原子力発電の原理 

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原子って何?

原子とは、肉眼では見れないほど小さなものになります。地球にとってリンゴは、相当小さいですよね、原子にとっては、リンゴは地球のような大きなものなのです。

 

原子番号が一緒でも、中性子の数が違う、ウラン235と238

原子とは、真ん中に陽子と中性子から構成されている原子核があり、その周りを電子が飛んでいます。燃料に使われている、ウラン235は、陽子が92個、中性子が143個あります。原子核の陽子の数を、原子番号といいます。なので、原子番号は92とされます。陽子と中性子を合計したか数を、質量数といいます。ウラン235の235という数字の違いは、質量数からきています。

 

核分裂エネルギーを利用

この、ウラン235の原子核に中性子をあてると、熱や放射線を放出しながら、核分裂し2つに割れます。この分裂で熱エネルギーを放出すると同時に、2〜3個の中性子を出します。この中性子が別のウラン235に吸収されると、次の核分裂が起こります。

 

原子炉内での水の役割

外部に漏れにくくし、核分裂連鎖反応が維持される状態まで「臨界」持っていきます。これにより猛烈な熱を発生させ、回りを囲んでいる水が沸騰し蒸気でタービンを廻し発電する、沸騰水型軽水炉という構造です。周りにある水は、冷却するためと、中性子の速さを減速させ核分裂をコントロールする役割と、放射能を遮断する役割があります。

 

※原子力発電所は、海の側に建設されていますが、それは、タービンを廻し終わったあとの蒸気を冷やして、水に戻すためです。水をリサイクルといいますか、無駄にはできません。海水が流れているパイプの間を、蒸気が通って水に戻ります。なので、大量の海水も必要とされるのです。

 

制御棒は中性子を吸収する

運転を開始すると、制御棒を抜い中性子を増やし、中性子が増え出力が上昇したところで制御棒を入れる仕組みになっています。制御棒は中性子を吸収する制御材で出来ています。「爆走」しないように、核分裂では制御棒で中性子を吸収させて反応を抑えコントロールする必要があります。

 

 

 

原子力発電のメリットとデメリット

 

 

 

メリットは

@少ない原料で、膨大なエネルギーを得られる。
A出力エネルギーに対し二酸化炭素と大気汚染物質を発電時に排出しない。
B燃料の備蓄スペースが小さい。
C燃料をリサイクルできる。

 

デメリットは

@火力発電に比べ、原子力は急激に出力を変動することが難しい。
A放射線の危険がある。
B廃棄物の処理が難しい。
C事故やテロにより大惨事を招く危険があることがある。

 

原発の安全性については、「停止」 「冷却」 「閉じ込め」この3つが大事だと言われています。

 

福島第一原発では、地震発生により、制御棒が自動的に挿入されて、臨界は止まりました。ですが、崩壊熱が原因になったようです。

 

分裂すると、エネルギー状態は高くなります。燃料棒は冷やし続けなければいけません。使用済み燃料も、最低でもプールの中に、3〜4年、管理しながら冷やすようです。

 

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